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第8回公開教養講話を開催 下田健人 氏 「人づくりは国づくり、国づくりは人づくり」

下田健人 氏

 平成26年2月21日(金)、モラロジー研究所廣池千九郎記念講堂にて、第8回公開教養講話を開催しました。講師は麗澤大学経済学部教授の下田健人氏。
 下田氏は「人づくりは国づくり、国づくりは人づくり」と題し、@麗澤大学 A企業 B家庭 という三方面から「人づくり」について語りました。今回はモラロジー生涯学習講座の受講者と一般参加者、あわせて220名が聴講しました。

人づくりをさまざまな角度から

 まず「麗澤大学における人づくり」について。
  専門の経済学を新入生に教える際、最初に伝えるのは「経済とは、何かを選ぶという行為からはじまる」ということ。選ぶという行為をする時に大切なことが一般的には2つ。@「機会費用」(あることを選んだことで失われた損失、他の選択をしていたら得られたであろう利益)、A「トレードオフ」(同時に2つのものは選べない)が挙げられます。さらに麗澤大学では、正しく選ぶためには、適切な判断をするための「価値観」を身につけさせる、すなわち「道徳」が重要であるということを教えていると強調しました。

 続いて「企業における人づくり」について。
  アメリカと日本の雇用慣行を比較。アメリカでは「必要な時に必要な人材を」という考え方が基にあり、企業は必要とする能力を備えた人を必要としている時期に雇用する。一方、社員も自分の求める条件と会社の条件が合わなければ、すぐに転職する傾向にあると説明。 それに対し、日本は「企業は家族、終身雇用」という考え方が基にあり、新卒者を仕事を通して、育てあげると説明。日本企業の人づくりによって、一人前になるまで育てあげられた人材は、世界でも通用するとなると述べました。

 最後に「家庭における人づくり」について。
  欧米と日本の就業状況を比較。欧米は大学を卒業し就職をする20代〜50代まで高い数値をキープし、定年する60代で一気に下がる。それに対し、日本は大学を卒業し就職をする20代が1番高く、出産を期に退職するため、30・40代で一気に下がり、その後、子育てがひと段落つく頃、少し上がり、定年する60代で再度下がるというM字型カーブを描くと紹介。
  下田氏は、子育てをしながらも働けるようM字型の谷底を引き上げるという考え方に対して、母親が胎児に話しかけることで胎内の子供の脳内が活性化される例等をあげ、子育ての重要さを述べ、「日本型のM字型は美しいと私は思う」とまとめました。

 講義後の質疑応答では、下田氏の「M字型は美しい」という発言を受け、子育て後の女性の社会復帰をさらに推進し「完全なM字型」の社会を目指そうとの言葉が参加者から寄せられました。

  • 下田 健人(しもだ たてひと)


    昭和33(1958)年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。雇用政策、人材管理に関わる多くの調査プロジェクトに参加。(財)高年齢者雇用開発協力会調査研究部専門員を経て、麗澤大学に着任。スタンフォード大学フーバー研究所研究員。APEC職業能力開発フォーラムコーディネーター及び、議長を務める。著書に『働く元気とエグゼンプト』、『基礎から学ぶ経済学』、共著に『資格の経済学』などがある。

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