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第5回公開教養講話を開催 平川祐弘氏 「小泉八雲と家庭」

平川祐弘氏


 平成25年10月13日(日)、モラロジー研究所廣池千九郎記念講堂にて第5回公開教養講話を開催しました。講師は比較文化史家で東京大学名誉教授の平川祐弘氏です。
 平川氏は「小泉八雲と家庭」と題し、ラフカディオ・ハーンが来日後、小泉八雲となり、妻・節子の協力を得て、怪談をはじめとする著作活動を行った人生と、八雲の人柄について講演しました。
 今回はモラロジー生涯学習講座の受講者と一般参加者、あわせて125名が聴講しました。

日本のよさは家庭にあり

 平川氏は、ギリシャに生まれたハーンが、2歳のときに母と共に父の故郷であるアイルランドに渡り、父母との別離、左目の失明、後見役だった大叔母の破産など過酷な体験をした少年時代に触れました。そして、劣等感と母や家庭への思慕を抱えながらアメリカで新聞記者をしていたとき、最初の結婚に失敗したことを紹介。当時のハーンの手紙をひもとき、純情な青年であり、たいへん苦しんでいたようすを述べました。

 続けて、日本にやってきた理由(日本は多神教文化のギリシャに似ていて、神道が生きていると感じた)、英語教師として向かった出雲で士族の娘・小泉節子と結婚し子供にも恵まれ、ようやく温かな家庭を手に入れたことを紹介。「ハーンは節子が語る怪談に夢中になり、さまざまな著作を発表していったが、その仕事に専念することができたのは、節子に家庭をまかせていたから」と、その存在の大きさを語りました。

 最後に平川氏は、当時の日本文化が生み出した"日本の家庭"について、ハーンの目を通してあらためてそのよさを再認識し、西洋に追従することのない"日本ならではの家庭"というものを考え、築いていくことが大切だ、と結びました。

※『モラロジー研究所所報』平成25年12月号に講演録を掲載しています

  • 平川祐弘(ひらかわ すけひろ)


    昭和6(1931)年、東京都生まれ。昭和28年、東京大学教養学部教養学科フランス分科を第1期生として卒業。大学院比較文学比較文化専修課程第1期生。昭和36年、博士課程進学。修士課程在学中に、フランス、イタリア、ドイツに留学。帰国後、修士論文を短縮した『ルネサンスの詩』を刊行。また、ダンテの『神曲』を口語体で翻訳し広く読まれる。昭和46年、博士論文『和魂洋才の系譜』で高い評価を受け、河出文化賞受賞。昭和56年「小泉八雲」でサントリー学芸賞。平成17年「ラフカディオ・ハーン 植民地化・キリスト教化・文明開化」で和辻哲郎文化賞。平成21年「アーサー・ウェイリー「源氏物語」の翻訳者」で日本エッセイスト・クラブ賞。平成10年に紫綬褒章叙勲、明治村賞受賞、平成18年瑞宝中綬章受章。国家基本問題研究所理事。

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