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第3回公開教養講話を開催 中桐万里子氏 「日常にねむる幸せの種」

中桐万里子氏


 平成25年7月27日(土)、モラロジー研究所 廣池千九郎記念講堂にて、第3回公開教養講話を開催しました。講師は、二宮金次郎7代目子孫、親子をつなぐ学びのスペース「リレイト」代表の中桐万里子氏。
 教育者、農政者であった二宮金次郎の遺言「名をのこさず、おこないをのこせ」という言葉に表れる、金次郎の生き方と後世への「メッセージ」について講演しました。
 今回はモラロジー生涯学習講座の受講者と一般参加者、あわせて160名が聴講しました。

二宮金次郎像の真のメッセージ

 中桐氏はまず、薪を背負い、本を読みながら歩く二宮金次郎の像について独自の考えを披露。「薪を運びながらも本を読み、熱心に勉強する姿から『勤勉』の象徴とよく言われているが、大切なのは背負っている薪と、一歩前に出された足。理想を追求することも、勉強することも大事だが、それ以上に働くこと、行動・実践することが重要」という金次郎のメッセージが表れていると述べました。
 中桐氏は、金次郎を「行動にこだわる実践家、徹底的な現場主義者」であると紹介。人が具体的で現実的な幸せを得ることを大切にした金次郎が、600以上の村を再建し、村民の希望を取り戻した事例を交えながら話しました。   

 次に、金次郎が説いた「具体的で現実的な幸せを得るための秘訣」を紹介。それは@現実をよく見て、腹を決めて受け入れる。A現実に対して対策を立てる、工夫する。B行動・実践する。中桐氏は現場主義で実践家の金次郎は、「環境が悪い、あの人に能力があったらなどという考えは、逃避にすぎない。現実の中にのみ、幸せがある」と言い続けていたと述べました。

 「逃避せずに現実を見る」という言葉を聞くと苦しく感じるかもしれないが、そのような時、金次郎の言った「報徳」という思想が頭に浮かんでくると中桐氏は言います。「報徳」とは、徳に報いること。私たちは、多くの仲間や先人のエネルギーや愛情をいただき、生きています。そして、先人が“いのち”を受け継ぐということを1度も止めなかったために、今、自分たちは生きているというのです。「私たちは幸せというゴールのために頑張る(徳を積む)のではなく、幸せ(徳をいただいている)だから頑張れる(報いる)のである。お腹の底から自分が幸せだと知っている人は、自分の与えられた場所で、現実をよく見て、力を尽くすことができるはず」と中桐氏は力強く語りかけました。

 「日常を見渡すと、そこには奇跡、感動、有り難さ、きらきらした幸せの種が隠れている。他人任せに幸せや感動が欲しいと求めるのではなく、自分が人生の主役になり、自分の足で歩き、埋もれている幸せの種を掘り起こし、地域社会を豊かにして、次世代へつなげて欲しい」と締めくくりました。

  • 中桐万里子(なかぎり まりこ)


    昭和49(1974)年、東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、京都大学大学院教育学研究科に進学。平成17年、同大学にて博士号を取得。専門は臨床教育学。平成19年より「親子をつなぐ学びのスペース『リレイト』」を主宰し、豊かな親子関係を育むためのコンサルテーションと、子供の創造力と知力を育む表現レッスンを行う。関西学院大学講師。国際二宮尊徳思想学会常任理事。著書に、『臨床教育と〈語り〉:二宮尊徳の実践から』『二宮金次郎の幸福論』がある。

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